ニッチな市場、その中でも特に参入障壁の高い市場で活躍する企業は、長期的に安定して収益を上げることができます。
そういった企業は得てして知名度が低いところが多いものの、高い競争優位性を有していることが多々あります。
インカム目当ての投資において優良な投資先になり得る、安心して長期保有できる銘柄を見つけたいものです。
「ディスクロージャー支援」を独占する2社
例えばプロネクサス(7893)とTAKARA&COMPANY(7921)は、「企業のディスクロージャー支援、IR関連物の制作・印刷」を手がける企業です。ディスクロージャー印刷の市場は400億円程度の規模感であり、この2社だけでなんと市場シェアの99%を占めています。
そしてこの2社は、今後も当該市場を寡占すると予測できます。
その理由は、専門的な知識を求められる上に、市場が限定的であり参入障壁が高いからです。ディスクロージャーに関する情報提供やコンサルティングには、専門的な知識が必要となります。
また、IR関連物作成支援などの仕事は作業量や成果物に対して費用が発生するため、上場企業数の大幅増加などが発生しない限り、市場の大幅な成長というものは見込めません。
そのような規模が限定的な市場に今から新規で参入したとしても、既に実績のある老舗企業から顧客シェアを奪う必要があるため、費用対効果が割りに合わないのです。
それ故にこの市場の参入障壁は高く、現状の企業による寡占の維持がしやすくなっています。
更に、IRは本業と離れた位置に存在する業務です。株価に影響を及ぼすものではあれど、企業の収益に直接的に関係するものではないため、同業務をアウトソーシングをする企業は多いです。そのような顧客企業は今後もこの業務をアウトソーシングしていくことが推測できるので、安定した収益を上げていくことが可能だと思われます。
まとめ
今回言及した2社は、大きな成長は見込めないものの、安定した業績で推移していくことが予測されます。
こういった寡占市場で競争優位性を働かせる企業の銘柄は、技術・資格の陳腐化による障壁低下や市場そのものの減退がない限り安心して保有し続けることができオススメです。