【CME】特別配当による隠れ高配当銘柄。グローバルな金融寡占市場の住人CMEグループ【銘柄分析】

外国株



基礎データ

株価201.53ドル
一株配当3.60ドル
配当利回り1.79%
配当権利確定月3.6.9.12月
PER37.75倍
時価総額72.377B

CMEグループは、先物・オプションを取り扱う商品取引所(寡占的プラットフォーム)を運営している企業です。

CMEグループという企業名に聞き覚えがなくても、「CME日経平均先物」には聞き覚えがある人もいるのではないでしょうか。

  • CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)
  • CBOT(シカゴ商品取引所)
  • NYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)
  • COMEX(ニューヨーク商品取引所)

の4つの主要取引所から構成され、金利・株価指数・外国為替・エネルギー・農産物・金属など幅広い分野でデリバティブ市場を全世界に提供しています。

取引所を通じてデリバティブ取引を行った利用者から手数料収入を得る収益構造をしているため、取引量・利用者が増加すればするほど収入も増加する仕組みです。

経営活動の収益性

業績の推移

営業収益・営業利益・純利益はしっかりと増加傾向にあります。

ここ数年で下落しているものの、営業利益率は今尚50%を超えており、非常に高収益な事業展開をしていることが見受けられます。

CFの推移

営業CFほぼ全てがそのままフリーCFになっており、投資CFは殆ど掛かっていません。稼ぐ力の高い、高収益な事業を行なっていることが見て取れます。

2015.16.17年に投資CFがプラスに振れているのは、子会社の売却によるものです。

2018年に一時的に投資CFが増大しているのは、英大手の債券・デリバティブブローカーだったNEXグループの買収に起因するものです。事業拡大のための戦略的買収ですので、特に気にする必要はありません。

CFマージン

営業CFマージン・フリーCFマージン共に50%程度を推移しています。米国では営業CFマージンが15%を超えていれば優秀とされているので、ここからも非常に高い収益性を伺う事ができます。

財務の安定性

自己資本比率・現金等

自己資本比率は低水準であり、余り良い数値をしていません。一般的な企業であればこれは悪材料ですが、同社の場合は好況だろうが不況だろうが毎年莫大なフリーCFが獲得出来る収益構造をしているので、気にしないで良いと思います。

株主還元の姿勢

同社は業績に応じて特別配当を払い出しているため、これを含めたパターンと含めないパターンの2種類のデータを見ていきます。

配当性向(PLベース)

特別配当を含まない配当性向は、特に問題ない水準です。

一方で特別配当を加味した方は、配当性向が非常に高い数値となっています。特別配当は業績に応じて支払われているので、業績が悪くなれば容赦なく減らされます。

まあ特別配当とは本来そういうものなので、特段気にする必要は無さそうです。

配当性向(CFベース)

特別配当を含まない配当性向はやや高い水準にあります。少し懸念点ですね。

上と同様の理由で、特別配当を加味した配当性向は特に気にする必要はありません。

配当の推移

※一般的に特別配当は一株あたり配当金に含まれないので、ここでは特別配当を含まない配当額をデータにしています。


毎年しっかりと増配をしており、増配率も悪くない水準です。

まとめ

寡占市場の住人は、法規制・必要とされる専門性から成る参入障壁、それに裏打ちされた高い競争優位性を有していることが多いため、投資対象として非常に魅力的です。

特にプラットフォーマー・胴元のポジションにある企業は、そのプラットフォームが利用される限りは安定して収益を上げることが可能となります。

同社が提供するデリバティブ取引プラットフォームは、代替製品にとって変わられる可能性が低く、証券取引がこの世から廃れることがない限り利用されるでしょう。そうしてこれからも存続していくと考えられる以上、投資妙味のある銘柄なのかもしれません。



↓以前同社について言及した記事。

↑(投稿情報などをつぶやきます)

※投資は自己責任でお願いします。当ブログは利益を保証するものではございません。

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