公開日 2020-12-05
最終更新日 2021-12-24
ムッヒョです。
今回は、不動産の管理・運営を手掛ける「日本管財」の銘柄分析をしていきます。
今回の記事を読むことで、この銘柄が購入・長期保有に向いているかどうかがわかります。
ぜひご覧ください。
基礎データ
株価 | 2011円(12/8時点) |
一株配当 | 50円 |
配当利回り | 2.44% |
株主優待 | カタログギフト |
優待利回り | 1.99%~2.98% |
配当+優待利回り | 4.43%~5.42% |
配当支払月 | 6.12月 |
セクター | 不動産 |

日本管財は、主に建物の管理・運営事業を営む企業です。
設備点検や清掃業務などを委託され代わりに行う、管理代行業務を手掛けています。
日本国内における公共施設や民間施設での管理代行業務意外にも、海外子会社での管理代行業務も手掛けてます。
同事業は継続性が高い、所謂ストックビジネスであるため、安定した収益を期待できます。
株価チャート


チャートは右肩上がりした後に横ばいになっています。
株価は10年前と比較して3倍近く上昇しています。
業績推移


売上高、営業利益、純利益はじりじりと右肩上がりとなっています。
2020.3期には、売上高11億円弱を計上しています。
営業利益70億円弱を計上しています。
純利益43億円強を計上しています。
営業利益率は安定して6~7%を推移しており、高水準です。
2021.3期には、売上高・営業利益・純利益全てが過去最高の予想です。
同社はストックビジネスであるため、業績が景気の動向に左右されづらい銘柄です。
景気に関係なく業績が安定しているので、配当金も安定します。
配当金目的で保有するのに向いている銘柄であるといえるでしょう。
自己資本比率

自己資本比率は60~70%あたりを推移しています。
盤石な財務体質をしています。
キャッシュフロー推移

CF(キャッシュフロー)は企業の現金の流れのことを指します。
- 営業CF…企業の営業活動に関係した収益・費用の流れ
- 投資CF…現事業を維持するために必要な資金や事業拡大のために投資される資金の流れ
- フリーCF…営業CFから投資CFを引いたもの。ここから配当金や内部留保、借入金の返済などを行う。
フリーCFは基本的にプラスを維持し続けています。
2020.3期は12億円強のフリーCFを創出しています。
2013.3期に投資CFが大幅に増加していますが、これは投資有価証券を取得したことが要因です。
投資有価証券は、現金と同じ性質を有しているため、マイナス要因ではないので問題ありません。
配当金性向(PLベース)

- EPS…一株あたり純利益
- DPS…一株あたり配当金
配当性向を見ることで今後の配当の持続安全性を知ることができます。配当性向が低ければ低いほど安全性が高くなります。
PLベースの配当性向は、2020.3期で43%程度です。
2021.3期には、40%程度を予想しています。問題ないレベルでしょう。
一般的に使用されている配当性向はPLベースのものですが、個人的にはCFベースの配当性向を見たほうがより正しい配当持続安全性を知ることができると考えています。
というのも、PLベースの配当性向には「発生ベース計上」「見積もり計上」など、今期のキャッシュイン・キャッシュアウトを伴わない項目(減価償却費など)が含まれているので、正確な配当安全性を見積もりづらいからです。
配当金性向(CFベース)

一般的にはPLベースの配当性向が利用されますが、配当金はフリーCFから支払われるものです。ゆえに、CFベースでの配当性向のほうが安全性をはかる際にはふさわしいと個人的には考えています。
CFベースの配当性向は、2020.3期で72%程度です。少しばかり高くなっています。
ただ、基本的には10~30%を推移しているので、特殊要因を除けば安定しているといっても良いでしょう。
現金等

- 利益剰余金…俗に言う内部留保。現金だけではなく、設備・固定資産なども含まれている。
- 現金等…企業が有事の際にすぐ現金化できる、投資有価証券などを含むキャッシュ残高のこと。
両者は区別して考える必要があります。
金融などの一部業界を除き、一般的には現金等に注目した方が配当安全性を知ることが出来ます。
現金等は、現在28億円強が保有されています。
もし仮に利益が大きく低減しても、これを配当金支払いに当てることで、当面は配当を減配せずに維持することが出来るでしょう。
配当金推移

配当金は少し不安定な推移しています。
2020.3期は一株あたり50円です。
2021.3期は一株あたり50円と、配当維持の予想です。
株主優待制度

同社の株主優待はカタログギフトです。
保有株数や年月によってカタログギフトの内容が変わってきます。
長期保有することで優待内容がグレードアップしていくので、配当金目的の長期投資と相性が良いです。
配当金と違って優待には税金がかからないため、積極的に狙っていきたいですね。
配当方針
当社は、株主の皆様に対する配当政策を最重要課題のひとつとして位置づけ、利益還元策として業績に応じた
https://www.nkanzai.co.jp/wp-content/uploads/2020/11/202103_2Q_financial-results-briefing.pdf より引用
適正な成果配分を行うことを基本方針としております。
2021年3月期は、中間配当を「25円」としました。期末配当は「25円」とし合計「50円」とする予定です。
業績次第ということですね。
同社は過去に減配しているので、持続的な増配はそこまで期待は出来ないかもしれません。
個人的意見
同社は安定した業績が見込めるストックビジネスであり、業績も成長しています。
長期保有でグレードがアップする株主優待制度を実施していることもあり、長期保有に適した銘柄でしょう。
しかし、配当金の推移が少し不安定な面もあり、株主還元にはそこまで積極的であるとは言いがたいですね。
それらの点を考慮すると、「他の魅力的な投資対象に投資した後に余力があれば買う」ことをオススメします。
これからの時代は資産運用も重要になっていくでしょう。このブログが皆様の株式投資の手助けになれば幸いです。
↑(投稿情報などをつぶやきます)
※投資は自己責任でお願いします。当ブログは利益を保証するものではございません。
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