公開日 2020-12-20
最終更新日 2021-12-24
ムッヒョです。
今回は、投資用分譲マンションの企画・販売を手掛ける「FJネクスト」の銘柄分析をしていきます。
今回の記事を読むことで、この銘柄が購入・長期保有に向いているかどうかがわかります。
ぜひご覧ください。
基礎データ
株価 | 1027円(12/20時点) |
一株配当 | 44円 |
配当利回り | 4.28% |
株主優待 | カタログギフト・宿泊優待券 |
優待利回り | 1.46% |
配当+優待利回り | 5.74% |
配当支払月 | 6.12月 |
セクター | 不動産 |
同社は投資用マンションの企画・販売を手掛けている総合デベロッパー会社です。
「ガーラマンションシリーズ」という名前を一度は聞いたことがあるのではないのでしょうか。
ネットで検索したときに「勧誘電話がしつこい」という意見が検索上位にあるところを見ると、一般の方の評判は良くないようですね。
株価チャート


チャートは上昇した後、直近で横ばいに推移しています。
10年前と比べ、株価は10倍近くになっています。
テンバガーってやつですね。
業績推移

売上高、営業利益、純利益は右肩上がりとなっています。
2020.3期には、売上高850億円弱を計上しています。
営業利益100億円強を計上しています。
純利益67億円強を計上しています。
営業利益率は10~14%を推移しています。
2021.3期はコロナの影響を受け、過去最高益は困難であるとの予想しています。
頑張って持ち直してほしいですね。
自己資本比率推移

自己資本比率は50%以上を推移しています。問題ないレベルです。
キャッシュフロー推移

CF(キャッシュフロー)は企業の現金の流れのことを指します。
- 営業CF…企業の営業活動に関係した収益・費用の流れ
- 投資CF…現事業を維持するために必要な資金や事業拡大のために投資される資金の流れ
- フリーCF…営業CFから投資CFを引いたもの。ここから配当金や内部留保、借入金の返済などを行う。
フリーCFは不安定な推移をしています。
2020.3期は、4.8億円弱のフリーCFを創出しています。
不動産業界は物件の仕入れ・開発で大量の金銭を使うので、営業CF・投資CFに多額のマイナスが計上されがちです。
物件が完成して売却するまで時間がかかるため、CFの推移はあまり気にする必要はありません。
配当金性向(PLベース)推移

- EPS…一株あたり純利益
- DPS…一株あたり配当金
配当性向を見ることで今後の配当の持続安全性を知ることができます。配当性向が低ければ低いほど安全性が高くなります。
一般的に使用されている配当性向はPLベースのものですが、個人的にはCFベースの配当性向を見たほうがより正しい配当持続安全性を知ることができると考えています。
というのも、PLベースの配当性向には「発生ベース計上」「見積もり計上」など、今期のキャッシュイン・キャッシュアウトを伴わない項目(減価償却費など)が含まれているので、正確な配当安全性を見積もりづらいからです。
しかし、上述の通り不動産業界はフリーCFがマイナスになることが大半なので、今回はPLベースの配当性向に着目します。
PLベースの配当性向は、2020.3期で29%程度です。問題ないレベルです。
配当金性向(CFベース)推移

一般的にはPLベースの配当性向が利用されますが、配当金はフリーCFから支払われるものです。ゆえに、CFベースでの配当性向のほうが安全性をはかる際にはふさわしいと個人的には考えています。
CFベースの配当性向は、2020.3期で287%です。
先述の通り、不動産業界ではフリーCFがマイナスになることが多いため、気にする必要はありません。
利益剰余金推移

- 利益剰余金…俗に言う内部留保。現金だけではなく、設備・固定資産なども含まれている。
- 現金等…企業が有事の際にすぐ現金化できる、投資有価証券などを含むキャッシュ残高のこと。
両者は区別して考える必要があります。
金融などの一部業界を除き、一般的には現金等に注目した方が配当安全性を知ることが出来ます。
不動産業界も、販売用の不動産や自社の建物といった固定資産を多く保有しているため、現金等よりも利益剰余金に注目します。
利益剰余金は、現在450億円強が保有されています。
右肩上がりに上昇しており、業績拡大の真っ只中ですね。
配当金推移

配当金は基本的に右肩上がりに推移しています。
2020.3期は一株あたり44円です。
2021.3期は一株あたり44円と、配当維持の予想です。
株主優待制度



同社の株主優待は、1500円相当のカタログギフトです。
1000株以上かつ3年以上継続保有すると、カタログギフトの価値が上昇します。
カタログギフトの代わりに寄付を選択することも出来ます。
1000株以上保有は中々ハードルが高いので、100株だけの保有が現実的でしょう。
株主優待は配当金と違って税金がかからないので、積極的に狙っていきたいですね。
配当方針
利益還元に関する基本方針
株主の皆さまに対する利益還元を経営の重要課題の一つとして認識し、積極的な事業展開のための内部留保、財務バランス等を総合的に勘案の上、継続的かつ利益に応じた安定的な利益の配分を行うことを基本方針としております。
https://www.fjnext.com/ir/stock/dividend.html より引用
業績次第ということですね。
実際、同社は過去に減配をしているので、気をつける必要があるでしょう。
来期も配当性向に余裕があるものの、配当維持をしている点を考慮するとあまり株主還元に積極的ではないのかもしれません。
個人的意見
同社は業績が拡大傾向にあり、優待のカタログギフトも使い勝手が良いです。
しかし投資先として考えたとき、同社は総合デベロッパーの中では悪くはないものの、不動産セクターで他に魅力的な企業があることを考えると、そこまで優先順位の高い投資先ではないでしょう。
強いて言うならば、「投資資金に余裕がある人が分散の一環として100株だけ保有する」といったところでしょう。
これからの時代は資産運用も重要になっていくでしょう。このブログが皆様の株式投資の手助けになれば幸いです。
↑(投稿情報などをつぶやきます)
※投資は自己責任でお願いします。当ブログは利益を保証するものではございません。
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