公開日 2021-01-20
最終更新日 2021-12-24
ムッヒョです。
今回は、独立系デベロッパーの「タカラレーベン」の銘柄分析をしていきます。
保有に適しているかどうか分析していきましょう。
今回の記事を読むことで、この銘柄が購入・長期保有に向いているかどうかがわかります。
ぜひご覧ください。
基礎データ
株価 | 311円(2021/01/20時点) |
一株配当 | 12円 |
配当利回り | 3.86% |
株主優待 | 全国共通お米券 |
優待利回り | ~1.41% |
配当+優待利回り | ~5.27% |
セクター | 不動産 |
同社は1972年に旧「宝工務店」として創業し、2022年に創業50周年を迎える老舗デベロッパーです。
分譲マンションの企画・開発事業を軸に、分譲戸建て事業や不動産賃貸事業、不動産管理事業、発電事業などを手掛けています。
株価チャート


一時は800円付近まで株価が上昇しましたが、その後は一転して下落しています。
最近はコロナショック・それに伴う減配が影響し、直近高値の500円から40%近く下落しています。
株価は10年前と比較しておよそ2倍となっています。
業績推移

売上高、営業利益、純利益は綺麗に右肩上がりとなっています。
2020.3期には、
- 売上高 1700億円弱
- 営業利益 120億円弱
- 純利益 54億円弱
- 営業利益率 7%程度
を計上しています。
2021.3期には、減収・減益を予想しています。
自己資本比率推移
※不動産業界は高額な商品(不動産)を扱う都合上、借り入れが必要になり自己資本比率が低くなる傾向にあるので、自己資本比率の指標をあまり気にする必要はありません。

自己資本比率は企業の総資本に占める純資産の割合を示す指標です。
- 計算式…(純資産/総資本)×100
- 総資本…負債(借金)及び純資産の合計
- 純資産…返済の必要が無い資産
自己資本比率が高いほど中長期的に見たときの倒産の可能性が低くなるので、基本的に自己資本比率は高い方が好ましく、40%以上あることが好ましいとされています。
自己資本比率は25~30%程度を推移しています。
キャッシュフロー推移
※不動産業界は物件の仕入れ・開発で大量の金銭を使うため、営業CF・投資CFに多額のマイナスが計上されます。また、物件が完成しても売却するまで時間がかかり、会計上棚卸し資産(在庫)として計上され、フリーCFに計上されるまでに時間がかかります。そのため、CFの推移はあまり気にする必要はありません。

CF(キャッシュフロー)は企業経営における現金の流れを示す指標です。
- 営業CF…企業の営業活動に関係した収益・費用の流れ
- 投資CF…現事業を維持するために必要な資金・事業拡大のために投資される資金の流れ
- フリーCF…営業CFから投資CFを差し引いたもの
フリーCFから配当金の支払い・借入金などの返済などを行うので、基本的にはフリーCFがプラスになっていることが好ましいです。
過去10年間でフリーCFは不安定な推移をしています。
2020.3期は160億円弱のフリーCFを創出しています。
配当金性向(PLベース)推移

配当性向(PLベース)は一株あたり純利益に占める一株あたり配当金の割合を示す指標です。
- 計算式…(DPS/EPS)×100
- EPS…一株あたり純利益
- DPS…一株あたり配当金
配当性向を見ることで今後の配当持続安全性を知ることができます。配当性向が低ければ低いほど今後の配当持続安全性は高くなるので、基本的に配当性向は低い方が好ましく、60%以下が好ましいとされています。
配当性向(PLベース)は2021.3期で38%程度です。
注意点として、今回の配当性向の推移の背景には配当金の減配が存在しています。
仮に配当維持でも、配当性向が100%を超えることはなかったので、投資家目線では残念な減配でしたね。
配当金性向(CFベース)推移
※CFの推移が当てにならない以上、CFベースの配当性向もあてになりません。読み飛ばしても問題ありません。

配当性向(CFベース)はフリーCFに占める配当金支払額の割合を示す指標です。
- 計算額…(配当金支払額/フリーCF)×100
- フリーCF…上記「キャッシュフロー推移」参照
- 配当金支払額…配当金として支払った金銭の総額
一般的にはPLベースの配当性向が利用されますが、配当金はフリーCFから支払われるものです。ゆえに、CFベースでの配当性向のほうが安全性をはかる際にはふさわしいと個人的には考えています。
配当性向(CFベース)は2020.3期で12%程度です。
利益剰余金推移

- 利益剰余金…俗に言う内部留保。現金だけではなく、設備・固定資産なども含まれている。
- 現金等…企業が有事の際にすぐ現金化できる、投資有価証券などを含むキャッシュ残高のこと。
両者は区別して考える必要があります。
一般的には現金等に注目した方が詳しい配当持続安全性を知ることが出来ますが、一部の業界に限っては利益剰余金を指標とします。
不動産業界は、販売用の不動産や自社の建物といった固定資産を多く保有しているため、現金等よりも利益剰余金に注目します。
利益剰余金は、2020.3期時点で460億円弱が保有されています。
配当金推移・増配率


配当金は順調に推移していましたが、今回残念ながら37%程度の減配をしてしまいました。
2021.3期は一株あたり12円と、7円減配の予想です。
今回は残念ながら減配してしまいましたが、増配時は中々に高い増配率を誇っています。
株主優待制度

同社の株主優待は、全国共通お米券です。
保有株数によってもらえる枚数が異なりますが、最も利回りが高くなるのは100株保有時です。
株主優待は配当金と違って税金がかからないので、積極的に狙っていきたいですね。
配当方針
タカラレーベンは株主の皆様への利益還元を会社の最重要課題の一つと位置づけています。その原則のもと、さらに成長を継続していくうえで重要な内部留保を適切に確保しつつ、業績に応じた安定的な配当を継続していきます。また、毎年3月31日現在の株主名簿および実質株主名簿に記載または登録された当社株式1単元(100株)以上保有の株主の皆様に、お米券を贈呈いたします。
https://www.leben.co.jp/ir/stock.html より抜粋
業績次第と言うことですね。
今回の減配を鑑みると、配当性向の40%程度を目安にしているように感じます。
もうちょっと株主に還元してくれると嬉しいですね。
個人的意見
同社は高配当株として有名でしたが、今回大幅な減配を発表しました。
しかしそれでもなお、現時点での配当利回りが3.86%、優待も含めると5%以上あることを考慮すると、現状は以外と買い時なのかもしれません。業績もコロナ禍であることを考慮すれば、そこまでひどいものでもないですしね。
個人的には、悪くないインカムゲインに加え、キャピタルゲインも獲得出来る可能性がある、投資妙味のある銘柄だと思っています。
これからの時代は資産運用も重要になっていくでしょう。このブログが皆様の株式投資の手助けになれば幸いです。
↑(投稿情報などをつぶやきます)
※投資は自己責任でお願いします。当ブログは利益を保証するものではございません。
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