【高配当・株主優待も有り】稲畑産業(8098)を新規購入。中期経営計画で累進配当政策の導入を発表【銘柄分析】

日本株・J-REIT

公開日 2021-09-23
最終更新日 2022-02-07

むっひょです。

今回は専門商社の「稲畑産業(8098)」に関しての銘柄分析です。タイトルの通り、同社は2021~2023年度までの3年間の中計において、累進配当政策の導入を発表しています。インカム投資家としては見逃せないアナウンスだと思いますので、興味のある方は今回の記事をご参考ください。



基礎データ(2022/2/7時点)

同社は国内化学メーカー第二位の住友化学を筆頭株主に持つ専門商社です。創業130年の老舗であり、電子材料・住宅関連設備・化学品・合成樹脂などを主力商品をして扱っています。

世界各地(17カ国60拠点)の製造加工子会社を通じて、安定した製品供給を可能にするという特徴を有しており、単なる商社機能に収まらない事業展開を行うことで、他の専門商社との差別化を図っています。

株価2,032円
一株配当110円
配当利回り5.41%
株主優待QUOカード(500~5,000円分)
優待利回り0.29~2.9%
配当+優待利回り5.71~8.31%
配当権利確定月3.9月
PER7.65倍
PBR0.68倍
https://www.inabata.co.jp/recruit/company/business/ より抜粋

事業セグメントの売上比率は、合成樹脂と情報電子が8割以上を占めています。

地域ごとの売上高では、日本国内での売上比率が40%、海外での売上比率が60%と、海外向けの方が高くなっています。日本国内の人口が今後減少していくことを考えると、海外向けの比率が高い方が成長性・将来性は高そうです。

また、新エネルギー・食品・農業・ライフサイエンス分野など、将来の成長が見込める市場にも積極的投資を行っており、企業としての今後の成長も期待することが出来ます。

経営活動の収益性

業績の推移

ここ数年の業績は緩やかに上昇しています。2020年度は売上・利益共にコロナの影響を少し受けましたが、しっかりと持ち直しました。2022年度に関してもしっかり増収増益の予想です。

営業利益率は改善傾向にあるものの、3%を下回っています。もう少し高いと嬉しいですね。

CFの推移

営業CF・フリーCFは基本的にプラスを推移しています。

営業CFに安定感がないのは長期投資向きではありませんが、こればかりは景気や世界情勢に業績を左右されるビジネスモデルである以上、割り切って受け入れる必要があります。

財務の安定性

自己資本比率・現金等

現預金は着実に積み上げています。2019年度に減少していますが、これは借入金の返済や自社株買いなどの株主還元に用いられたとのことなので、あまり気にする必要は無いです。

自己資本比率も少しずつ改善されており、現時点で50%程度あります。良い傾向です。

株主還元の姿勢

配当政策

1株当たりの配当額については前年度実績を下限とし、減配は行わず、継続的に増加させていくことを基本とする(累進配当の導入)

総還元性向の目安としては当面30~35%を継続

・自己株式取得は機動的に実施

https://www.inabata.co.jp/investor/management/midterm_plan/ より引用

インカム投資家には嬉しい累進配当政策を導入しています。

ただ、あくまで2021~2023年度までのものなので、そこには注意しておく必要があります。

なお、累進配当政策を明言している日本企業は同社を除くと現時点で

  • 三菱商事
  • 伊藤忠商事
  • 三井住友FG
  • いちご

の4社のみです。高く評価して良い点だと思います。

※追記(2022/2/7) 同社は中計期間の総還元配当性向を50%に引き上げることを発表しました。これは嬉しいニュースですね!

配当性向(PLベース)

基本的に20~30%程度を推移しています。至極健全で、何も問題ありません。

配当性向(CFベース)

こちらも40%以下を推移しています。何も問題はありません。

配当の推移

コロナショックが直撃した際もしっかりと増配しています。今年度は7円の増配予定です。

増配率も10%以上を推移しており、安心して長期保有できそうです。

株主優待

https://www.inabata.co.jp/investor/stock/benefit/ より抜粋

使い勝手の良いQUOカードが貰えます。100株保有ならば、3年間長期保有すれば4倍の価値になるのでオススメです。3月ではなく9月に保有していないと貰えないので要注意です。

まとめ

業績の推移からは成長・経営の効率化が、自己資本比率の改善などからは財務の健全化も進んでいることが見受けられます。さらに累進配当政策の導入、株主優待の実施、高い増配率、まだまだ余力のある配当性向と、稲畑産業は長期保有に適した銘柄であることに間違いありません。

懸念点としては、低い利益率と景気に左右されるビジネスモデルといったところでしょうか。

このあたりを比較して、投資に値すると思えれば投資しても良いのではないでしょうか。



↑(投稿情報などをつぶやきます)

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