公開日 2020-11-14
最終更新日 2021-04-05
どうも、投資家のムッヒョです。
今回は、住友系列の総合商社である「住友商事」の銘柄分析をしていきます。
同社は高配当株として有名です。保有に適しているかどうか分析していきましょう。
今回の記事を読むことで、この銘柄が購入・長期保有に向いているかどうかがわかります。
ぜひご覧ください。
基礎データ
株価 | 1266円(11/13時点) |
一株配当 | 70円 |
配当利回り | 5.5% |
株主優待制度 | -- |
株主優待利回り | -- |
配当+優待利回り | -- |
配当支払月 | 6.12月 |
セクター | 商社 |

住友商事は、業界の中で売上高第六位を誇る業界大手の総合商社です。
同社のセグメントは金属部門の占める割合が大きいのですが、2020.3期の純利益は赤字を計上しているので上記のグラフには反映されていません。
株価チャート


株価チャートは横ばいに推移しており、10年前と株価はほとんど変わりません。
業績推移


売上高、営業利益、純利益、営業利益率は、年度によってばらつきが生じています。
※2012.3期以前は、会計基準が現在の基準と異なっているため、営業利益が算出できませんでした。
同社は景気敏感株と言われる種類の銘柄で、世界経済の影響を大きく受ける銘柄です。
景気が良いタイミングでは業績が伸びやすい一方で、景気が悪いタイミングでは業績は下落する傾向にあります。
2015.3期の赤字については、主に資源・化学品部門において多額の減損損失を計上したことが要因となっています。
減損損失はキャッシュアウトを伴わないものであり、無理な配当を行っているわけではないので、配当安全性には影響はないと考えられます。
2021.3期は1500億円の赤字を予想しています。
キャッシュフロー推移

CF(キャッシュフロー)は企業の現金の流れのことを指します。
- 営業CF…企業の営業活動に関係した収益・費用の流れ
- 投資CF…現事業を維持するために必要な資金や事業拡大のために投資される資金の流れ
- フリーCF…営業CFから投資CFを引いたもの。ここから配当金や内部留保、借入金の返済などを行う。
フリーCFがマイナスになっている年が見受けられます。
景気敏感株であるとはいえ、フリーCFがマイナスになっている年がある点には注意が必要でしょう。
配当金性向(PLベース)

- EPS…一株あたり純利益
- DPS…一株あたり配当金
配当性向を見ることで今後の配当の持続安全性を知ることができます。配当性向が低ければ低いほど安全性が高くなります。
一般的に使用されている配当性向はPLベースのものですが、個人的にはCFベースの配当性向を見たほうがより正しい配当持続安全性を知ることができると考えています。
というのも、PLベースの配当性向には「発生ベース計上」「見積もり計上」など、今期のキャッシュイン・キャッシュアウトを伴わない項目(減価償却費など)が含まれているので、正確な配当安全性を見積もりづらいからです。
PLベースの配当性向は、2020.3期で60%程度です。高いですが問題ないレベルです。
何事もない年は、配当性向が25%程度を推移していますが、同社は景気敏感株であるので、推移にばらつきが生じています。
新型コロナの影響による業績の低下が要因で、2021.3期は赤字を計上し、配当性向はマイナスになる予想です。景気敏感株の宿命ではありますが、あまり良い予想とは言えませんね。
配当金性向(CFベース)

一般的にはPLベースの配当性向が利用されますが、配当金はフリーCFから支払われるものです。ゆえに、CFベースでの配当性向のほうが安全性をはかる際にはふさわしいと個人的には考えています。
CFベースの配当性向は、上下に激しく乱高下しています。
正直安定しているとは言いがたい様子です。
2020.3年の配当性向は85%程度で、大分高い水準にありますね。
※2021.3期のCFは不明な状態なので、注意する必要があります。
現金等

利益剰余金は、俗に言う内部留保のことです。注意点として、現金だけではなく、設備・固定資産なども含まれています。
現金等は、企業がすぐに現金化できる証券などを含むキャッシュの残高のことです。
両者は区別して考える必要があります。
一般的には現金等に注目した方が配当安全性を知ることが出来ます。
現金等は、現在7000億円強が保有されています。
もし仮に利益が大きく低減しても、これを配当金支払いに当てることで、当面は配当を減配せずに維持することが出来るでしょう。
しかし、同社はあまり株主還元に積極的な姿勢ではないので、正直あまり期待できません。
配当金推移

2020.3期は一株あたり80円です。
2021.3期は一株あたり70円と、減配の予想です。
業績や配当金が安定しないのは、景気敏感株の宿命ではありますが、減配は残念ですね。
株主優待制度
同社は株主優待制度を実施していません。残念。
配当方針
当社は、株主の皆様に対して長期にわたり安定した配当を行うことを基本方針としつつ、中長期的な利益成長による配当額の増加を目指して取り組んでおります。 2018年4月からスタートした3年間の「中期経営計画2020」においては、連結配当性向30%程度を目安に、基礎収益やキャッシュ・フローの状況等を勘案の上、配当額を決定することとしております。
https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/ir/stock/information より抜粋
あまり期待できる方針ではないですね。
業績が拡大すれば増配が期待できるものの、業績が低迷すれば減配もあり得るということです。
個人的意見
景気はいずれ回復すること、企業としての財務基盤が安定していることを考慮すると、悪くはない銘柄です。
注意点として、同社株式は、高配当株ですが景気に大きく業績が左右される点、配当にばらつきが生じやすい点が挙げられます。
精神衛生上の観点からみると、少し保有しづらい銘柄になっています。
また、三大総合商社(三菱、三井、伊藤忠)と比べると、やはり見劣りしているように思えます。
それらの点を考慮した上で、購入したいと思うのならば、それも良いかもしれません。
これからの時代は資産運用も重要になっていくでしょう。このブログが皆様の株式投資の手助けになれば幸いです。
共にこの資本主義社会を生き抜いていきましょう!
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※投資は自己責任でお願いします。当ブログは利益を保証するものではございません。
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