【投資に欠かせない】プロネクサス(7893)。参入障壁の高い寡占市場に生息する財務優良企業【銘柄分析】

日本株・J-REIT

公開日 2021-09-30
最終更新日 2021-10-17

個別株式に投資を行なっているのであれば、避けては通れないのが企業分析。企業分析をする上で決算書や月次報告書など、様々なIR関連物を読み込む必要があります。

そんな株主のために、上場企業はIR関連物を作成し公開する義務があるわけですが、日本のIR関連物の制作・印刷の市場が実はたった2社で寡占されていることをご存知でしょうか?

今回は、そんなIR関連物市場を寡占している2社のうちの1社である「プロネクサス(7893)」を紹介します。



基礎データ

株価1,070円
一株配当32円
配当利回り2.99%
株主優待QUOカード(500〜10,000円分)
優待利回り0.47〜2.82%
配当+優待利回り3.46〜5.81%
配当権利確定月3.9月
PER17.9倍
PBR1.2倍

プロネクサスは、上場会社や金融商品運用会社が投資家に向けてディスクロージャー・IR資料を作成する際の実務支援を行う専門会社です。

ディスクロージャー印刷の市場は400億円程度の規模感であり、同社とTAKARA & COMPANY(7921)の2社だけで市場シェアの99%を占めています。

ディスクロージャーに関する情報提供やコンサルティングには、専門的な知識が必要なこと・市場規模が限られていることから参入障壁が高く、現状当該市場は上述2社の寡占市場と化していることもあり、非常に安定した業績を期待できます。

一方で、市場そのものの成長性にあまり期待ができないことや、書類の電子化の普及に伴って印刷業務の売り上げが減少傾向にあることが現状の懸念点として挙げられます。

経営活動の収益性

業績の推移

業績は緩やかな右肩上がりであり、営業利益率は基本的に10%前後を推移しています。悪くないです。

CFの推移

営業CF・フリーCF共にプラスを維持しています。安定感がありますね。

財務の安全性

自己資本比率・現金等

自己資本比率は直近で下落していますが、それでも64%と高水準です。現金同等物に関しても純利益6〜7年分を蓄えており、キャッシュリッチで非常に強固な財務基盤をしています。

株主還元の姿勢

株主還元政策

当社は株主への利益還元を経営の重要課題と認識し、諸施策を実施しています。配当については、安定配当をベースに業績及び経営環境等を総合的に加味した配当の継続を基本方針とし、配当性向は40%以上を基準としております。

https://www.pronexus.co.jp/ir_info/stocks/dividend.htmlより引用

可もなく不可もなくといったところでしょうか。特に特筆するような箇所は無さそうです。

配当性向(PLベース)

余裕のある配当性向です。直近のEPSが下落気味なのが懸念点です。

配当性向(CFベース)

配当金支払額をフリーCFで余裕でカバー出来ています。非常に安定感があり、問題はありません。

配当の推移

直近の配当が減配しているように見えますが、2021年の配当のうち2円は会社設立90年記念の特別配当なので、これを除けばしっかりと増配しています

特別配当を除くと、増配率はやや低下傾向にあります。

株主優待

https://www.pronexus.co.jp/ir_info/stocks/dividend.htmlより抜粋

株主優待は使い勝手の良いQUOカードです。長期保有特典が凄いですね。

まとめ

同社は、キャッシュリッチで非常に堅固な財務基盤、高い専門性と途切れることのない業務需要に裏打ちされる業績の安定性から、今後も長らく存続が見込める企業です。

しかしその一方で市場全体が成長性に乏しいことや、決算報告書や株主総会招集通知書などの電子化の普及に伴って印刷業務が減少していることなど、業績悪化の懸念も存在しています。

寡占市場の住人だからといって現状に甘んじるのではなく、市場環境の変化に柔軟に対応していくことが求められるでしょう。



↓以下でも同企業について言及しています

↑(投稿情報などをつぶやきます)

※投資は自己責任でお願いします。当ブログは利益を保証するものではございません。

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