公開日 2020-12-05
最終更新日 2021-04-06
ムッヒョです。
今回は、住宅ローン保証といった信用保証業務を行う「全国保証」の銘柄分析をしていきます。
今回の記事を読むことで、この銘柄が購入・長期保有に向いているかどうかがわかります。
ぜひご覧ください。
基礎データ
株価 | 4665円(12/14現在) |
一株配当 | 111円 |
配当利回り | 2.38% |
株主優待 | QUOカード or カタログギフト |
優待利回り | 0.64%~1.07% |
配当+優待利回り | 3.02%~3.45% |
配当支払月 | 6.12月 |
セクター | 金融 |
同社は、信用保証業務を手掛ける会社です。
信用保証業務とは、金融機関が販売するローン商品の利用者の債務保証をおこなうビジネスのことです。
債務者が債務を返済できなくなったときに、一時的に債務を立て替えるといったことを行います。
金融機関に対しての保険商品を扱っている、と思ってもらえればイメージがつきやすいと思います。
信用業務を含む保険業の大きな特徴として、営業利益率が非常に高い水準にあることが挙げられます。
中でも同社は営業利益率が80%近くあり、東証上場企業の中で最も利益率の高い企業です。
株価チャート


※同社は2012年12月に東証に上場したため、それ以前はチャートにあらわれていません。
チャートは右肩上がりした後に横ばいになっています。
株価は8年前と比較して6倍近くに上昇しています。
業績推移

売上高、営業利益、純利益は綺麗に右肩上がりとなっています。
2020.3期には、営業収益450億円強を計上しています。
営業利益350億円強を計上しています。
純利益240億円強を計上しています。
営業利益率は安定して70~80%を推移しており、非常に高水準です。
2021.3期には、全ての指標で過去最高を予想しています。
同社銘柄は景気に関係なく安定して業績が推移しており、配当金目的で保有するのに向いている銘柄であるといえるでしょう。
自己資本比率の推移

自己資本比率は上場以来上昇しており、直近では40%程度を推移しています。
悪くない財務体質をしています。
キャッシュフロー推移

CF(キャッシュフロー)は企業の現金の流れのことを指します。
- 営業CF…企業の営業活動に関係した収益・費用の流れ
- 投資CF…現事業を維持するために必要な資金や事業拡大のために投資される資金の流れ
- フリーCF…営業CFから投資CFを引いたもの。ここから配当金や内部留保、借入金の返済などを行う。
フリーCFはあまり安定していません。
同社は投資CFが大きくなる年に、フリーCFがマイナスに転落しています。
確認できる限りでは、投資CFの大半が投資有価証券の取得に用いられています。
同社は営業CFが安定する事業形態であり、設備投資もほとんどかからないため、有価証券を取得するのは良い選択だと思われます。
2020.3期は320億円強のフリーCFを創出しています。
配当金性向(PLベース)

- EPS…一株あたり純利益
- DPS…一株あたり配当金
配当性向を見ることで今後の配当の持続安全性を知ることができます。配当性向が低ければ低いほど安全性が高くなります。
PLベースの配当性向は、2020.3期で27%程度です。
2021.3期には、30%程度を予想しています。問題ないレベルでしょう。
一般的に使用されている配当性向はPLベースのものですが、個人的にはCFベースの配当性向を見たほうがより正しい配当持続安全性を知ることができると考えています。
というのも、PLベースの配当性向には「発生ベース計上」「見積もり計上」など、今期のキャッシュイン・キャッシュアウトを伴わない項目(減価償却費など)が含まれているので、正確な配当安全性を見積もりづらいからです。
配当金性向(CFベース)

一般的にはPLベースの配当性向が利用されますが、配当金はフリーCFから支払われるものです。ゆえに、CFベースでの配当性向のほうが安全性をはかる際にはふさわしいと個人的には考えています。
CFベースの配当性向は、2020.3期で20%程度です。問題ないレベルです。
同社は投資CFが多額になる年があるため、当該年はCFベースの配当性向はマイナスに転落しています。
しかし、投資CFの大半は投資用有価証券の取得に用いられており、将来的にキャッシュフローが増大していくことが予想できます。
よって、今回はそこまで気にする必要はないと個人的には考えています。
利益剰余金

利益剰余金…俗に言う内部留保。現金だけではなく、設備・固定資産なども含まれている。
現金等…企業が有事の際にすぐ現金化できる、投資有価証券などを含むキャッシュ残高のこと。
両者は区別して考える必要があります。
金融などの一部業界を除き、一般的には現金等に注目した方が配当安全性を知ることが出来ます。
利益剰余金は右肩上がりに推移しており、現在1300億円強が保有されています。
もし仮に利益が大きく低減しても、これを配当金支払いに当てることで、当面は配当を減配せずに維持することが出来るでしょう。
配当金推移

配当金は右肩上がりに推移しています。
2020.3期は一株あたり95円です。
2021.3期は一株あたり111円と、16円増配の予想です。
株主優待制度

同社の株主優待はクオカード、またはカタログギフトです。
保有株数や年月によってクオカードの金額、カタログギフトの内容が変わってきます。
長期保有することで優待内容がグレードアップしていくので、配当金目的の長期投資と相性が良いです。
配当金と違って優待には税金がかからないため、積極的に狙っていきたいですね。
配当方針
当社は、株主の皆様への利益還元を重要な経営課題として位置づけており、強固な財務基盤の構築に必要な内部留保を確保しつつ、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としております。
http://www.zenkoku.co.jp/ir/dividend.html より抜粋
業績次第ということですね。
ただ、同社は上場以来減配を行っていないので、持続的な増配に期待しても良いかもしれません。
個人的意見
同社は安定した業績が見込める事業形態であり、営業利益率も非常に高いため、今後の業績に期待できる銘柄だと言えるでしょう。
ただ、同社の株価チャートがボックス相場を形成しており、現在の株価がボックスの高値付近で反発していることを考慮すると、短期的には値下がりが予想されるため、購入を躊躇してしまいますね。
長期的に保有するにしても、しばらくは「様子見」することをオススメします。
ただ、もし高値ラインである4800円付近を突破するようであればさらなる値上がりが期待できるので、購入に踏み切っても良いかもしれません。
これからの時代は資産運用も重要になっていくでしょう。このブログが皆様の株式投資の手助けになれば幸いです。
共にこの資本主義社会を生き抜いていきましょう!
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※投資は自己責任でお願いします。当ブログは利益を保証するものではございません。
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