公開日 2021-01-22
最終更新日 2021-04-06
ムッヒョです。
今回は、サンマルクカフェで有名な「サンマルクHD」の銘柄分析をしていきます。
保有に適しているかどうか分析していきましょう。
今回の記事を読むことで、この銘柄が購入・長期保有に向いているかどうかがわかります。
ぜひご覧ください。
基礎データ
株価 | 1484円(2021/01/21時点) |
一株配当 | 44円 |
配当利回り | 2.96% |
株主優待 | 株主優待カード |
優待利回り | --- |
配当+優待利回り | --- |
セクター | レストラン |
同社は、多くのレストランやカフェを傘下に持つ持株会社です。
チョコクロをはじめとした焼きたてパンを楽しむことが出来る「サンマルクカフェ」を筆頭に、「倉式珈琲」「鎌倉パスタ」「神戸元町ドリア」など様々な飲食店を全国にチェーン展開しています。
株価チャート


2015年を境に株価は下落トレンドを形成しています。
さらに今回の新型ウイルスの影響を受け、上場来安値(1341円)を更新してしまいました。
ここから復活するのか、更なる下落があるのか、今後の推移に注目する必要があります。
業績推移

2015年から営業利益や純利益、営業利益率が下落傾向にありましたが、今回の新型ウイルスの影響を受け営業利益・純利益共に赤字に転落する予想です。
2020.3期には、
- 売上高 690億円弱
- 営業利益 42億円弱
- 純利益 15億円弱
- 営業利益率 6%程度
を計上しています。
2021.3期は、営業利益・純利益共に赤字転落を見込んでおり、68億円弱の赤字計上を予想しています。
厳しい状況であると言わざるを得ません。
自己資本比率推移

自己資本比率は企業の総資本に占める純資産の割合を示す指標です。
- 計算式…(純資産/総資本)×100
- 総資本…負債(借金)及び純資産の合計
- 純資産…返済の必要が無い資産
自己資本比率が高いほど中長期的に見たときの倒産の可能性が低くなるので、基本的に自己資本比率は高い方が好ましく、40%以上あることが好ましいとされています。
自己資本比率は80%前後を推移しており、非常に強固な財務基盤をしています。
キャッシュフロー推移

CF(キャッシュフロー)は企業経営における現金の流れを示す指標です。
- 営業CF…企業の営業活動に関係した収益・費用の流れ
- 投資CF…現事業を維持するために必要な資金・事業拡大のために投資される資金の流れ
- フリーCF…営業CFから投資CFを差し引いたもの
フリーCFから配当金の支払い・借入金などの返済などを行うので、基本的にはフリーCFがプラスになっていることが好ましいです。
フリーCFはプラスを維持し続けており、2020.3期には31億円強のフリーCFを創出しています。
おそらく散々な結果となっていることが予想できますが、2021.3期のCFの推移がどうなっているか非常に気になります。
配当金性向(PLベース)推移

配当性向(PLベース)は一株あたり純利益に占める一株あたり配当金の割合を示す指標です。
- 計算式…(DPS/EPS)×100
- EPS…一株あたり純利益
- DPS…一株あたり配当金
配当性向を見ることで今後の配当持続安全性を知ることができます。配当性向が低ければ低いほど今後の配当持続安全性は高くなるので、基本的に配当性向は低い方が好ましく、60%以下が好ましいとされています。
配当性向(PLベース)は2020.3期で90%程度です。非常に高水準であり、注意が必要です。
これまでは30~40%を推移していましたが、昨年は90%に急上昇し、2021.3期に関してはマイナスに転落する予想をしています。
配当金性向(CFベース)推移

配当性向(CFベース)はフリーCFに占める配当金支払額の割合を示す指標です。
- 計算額…(配当金支払額/フリーCF)×100
- フリーCF…上記「キャッシュフロー推移」参照
- 配当金支払額…配当金として支払った金銭の総額
一般的にはPLベースの配当性向が利用されますが、配当金はフリーCFから支払われるものです。ゆえに、CFベースでの配当性向のほうが安全性をはかる際にはふさわしいと個人的には考えています。
配当性向(CFベース)は2020.3期で40%程度です。
基本的には100%以下を推移していますが、時々100%を超えてしまっているタイミングがあります。ウイルスに関係なく業績が悪化しつつあることが懸念点です。
現金等推移

- 利益剰余金…俗に言う内部留保。現金だけではなく、設備・固定資産なども含まれている。
- 現金等…企業が有事の際にすぐ現金化できる、投資有価証券などを含むキャッシュ残高のこと。
両者は区別して考える必要があります。
一般的には現金等に注目した方が詳しい配当持続安全性を知ることが出来ますが、一部の業界に限っては利益剰余金を指標とします。
現金等は、現在150億円強が保有されています。
一年間の純利益を基準に考えると、現金を厚めに保有していることが分かります。ウイルスが収まるまでに現金が足りなくなる可能性は低いと予想できます。
現金を厚めに保有している企業は、非常時に倒産する確率が低くなるので、長期保有しやすくておすすめです。
配当金推移・増配率


配当金は安定して推移していましたが、流石に減配は避けられませんでした。
2021.3期は一株あたり44円と、18円減配の予想です。
増配率はそこまで高くありません。
株主優待制度


株主優待として、グループ店で割引(大体20%引き)を受けられる株主優待カードを配布しています。
期間内であれば何度でも利用することが出来るので、店に行けば行くほど恩恵が受けられます。
配当方針
当社は、当社グループの業績動向及び配当性向等を総合的に勘案した上で、株主に対し利益成長に応じた安定的な配当を継続しつつ、今後のグループ内における事業拡充による将来の利益貢献を図るため内部留保の充実に努めることを基本方針としております。これをベースに今後の当社グループの利益成長等を勘案し、中期的な連結ベースの配当性向の水準として35%を目標としつつ、DOE(純資産配当率)等の要素も加味しながら決定することとしております。
https://saint-marc-hd.s3.amazonaws.com/5715/8935/0568/2020.3.pdf より引用
業績次第ということですね。
残念ながら2021.3期は大幅な減配をしてしまいました。新型ウイルスが収まるまでは増配は期待できないと考えて良いでしょう。
個人的意見
新型コロナウイルスの影響により、飲食業界は大きな打撃を受けています。
同社も例に漏れず打撃を受け、赤字を計上予定です。
その影響もあってか、現在の株価は上場来安値に近い数値となっており、今後の推移に注目する必要があるでしょう。
これを買い時と捉えるか、そうでないかは個々人の想定しているシナリオによって意見が異なると思います。
私個人の意見としては、資金に余裕があれば「購入しても良い水準」だと思っています。
同社は自己資本比率が高く、現金も厚めに持っているので、倒産する可能性が低いと踏んでいるからです。
コロナがいずれ収まれば、値上がりも期待できると思うのですが、いかがでしょうか。
これからの時代は資産運用も重要になっていくでしょう。このブログが皆様の株式投資の手助けになれば幸いです。
共にこの資本主義社会を生き抜いていきましょう!
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↑(投稿情報などをつぶやきます)
※投資は自己責任でお願いします。当ブログは利益を保証するものではございません。
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