公開日 2020-12-15
最終更新日 2022-03-03
何してる企業?
ヒューリック(3003)は、富士銀行(現みずほ銀行)の店舗管理・保険代理店業務の代行を目的として設立された歴史を持つ、総合デベロッパーです。
不動産賃貸・開発・アセットマネジメント業務などから構成される不動産事業を筆頭に、保険代理店業務から成る保険事業、ホテルや旅館の運営を行うホテル・旅館事業を手掛けています。
とはいえ、売上・営業利益共に不動産事業が90%以上を占めているため、実質不動産事業を手掛ける会社と捉えて問題はないでしょう。

「銀座の大家さん」と呼称されている同社ですが、そんな同社が保有する賃貸不動産の多くは都心・駅近の好立地物件であり、それらは安定した需要を見込むことができます。
賃貸収益は保有不動産の質によって決まると言っても過言ではなく、その点において同社は強い競争優位性を有しています。

お給料が高い会社としても有名ですね。
分析スタート
基礎データ(2022/3/3時点)
- 時価総額 7,779億円
- 株価 1,018円
- PER 10.35倍
- PBR 1.22倍
- 自己資本比率 28.8%
- 配当利回り(予) 3.93%
- 優待利回り(予) 0.98〜1.96%
- 総合利回り(予) 4.91〜5.89%
基礎データはざっくりこんな感じです。もう少し詳しく掘り下げていきます。
業績
一株あたり利益(EPS)

EPSは概ね右肩上がりの推移をしています。
2022年のEPS予想が前年を下回っていますが、これは増資をしたことによる発行済み株式数の増加が要因です。当期純利益の数値自体は前年よりも成長しているため、同社の成長トレンドはまだ継続中です。
営業・投資・フリーCF

投資CFが営業CFを上回っており、フリーCFがマイナスになっている年が多いです。
これは業績拡大期にある企業や、物件を仕入れるために多額の費用がかかる不動産関係の企業によく見受けられるパターンです。
これに付随して業績が成長しているのであれば、そこまで気にする必要はありません。ただし、CFがこのパターンにある企業は、不況時にダメージをくらいやすい傾向にあることを認識しておく必要があります。

同社は利益も着実に増やしているので「今のところは」心配していません。
営業利益率・CFマージン

どちらも高水準を推移しており、高収益であることがわかります。

さすが社員一人当たりの稼ぐ利益が年間5億円を超える会社…。
保有不動産ポートフォリオ・含み益・入室率

賃貸用不動産PFはオフィスが全体の55%を占めています。同社は都心・駅近の好立地物件に強みを有しており、安定した賃貸収益を期待できます。
賃貸用不動産の簿価1,508,103百万円に対して、時価1,872,713百万円と、364,610百万円(およそ24%)の含み益が出ている状態です。前年の353,017百万円から、含み益は11,593百万円の増加となっています。
入室率は99.4%と高水準であり、前年から変化はありませんでした。

不動産って儲かるんだなぁ(小並感)
財務
自己資本比率・有利子負債比率

自己資本比率は30%以下、有利子負債比率は100%以上を推移しており、お世辞にも堅牢な財務とは言えません。
ただ、目下成長中であり不動産関係の企業であることを考慮すると、十分許容範囲ではあります。

デベロッパーなどの数値は大概これくらいです。
現金及び現金同等物

現金等は右肩上がりに増加しています。特に2021年は公募増資により大きく増加しました。
なお、公募増資で得た資金などはポートフォリオの組み替えや開発などに利用するようです。

良いポートフォリオ構築してねー。
株主還元
還元姿勢
配当金に関する基本方針
当社は、不動産賃貸事業を主たる事業としていることもあり、長期的かつ安定的な事業基盤の強化のために必要な内部留保の充実をはかるとともに、株主への利益還元を狙いとして、安定した配当を継続することを基本方針としております。また、業績動向を踏まえた配当とすることも同様に重要と考えております。
同社HP より引用
同社は2013年以降は増配を続けていますが、それ以前のリーマンショック時には減配も行なっているため、今後も景気動向によっては躊躇なく減配するのだろうと推察できます。

景気敏感銘柄ですからねぇ…。
配当・配当性向

きっちり増配を続けています。2022年も39→40円と1円増配の予定です。予定通り増配されれば、9期連続増配となります。

この調子でよろしく頼んます。
株主優待

同社は、同社株式を300株以上保有している株主を対象に、3,000円相当のカタログギフト優待や寄付を実施しています。
長期保有特典もあり、継続保有年数が3年を超えた場合は、優待がカタログギフト×2となり、価値が倍の6,000円相当となります。

カタログギフトは選ぶ楽しみも相まってお得感がありますね。
まとめ
好立地物件を多数保有し、新たな高収益物件を開発し続ける同社は、今後も安定した成長推移を見込めるでしょう。
しかし配当狙いで長期保有する上では、景気敏感銘柄であり、過去に減配をしている実績があることを考慮する必要がありそうです。
それらのリスクを許容できるのであれば、将来性・収益性が高いこともあり、魅力的な投資先であると言えるでしょう。

総合デベロッパーの中で一番おすすめの同銘柄。配当利回り4%超えたら購入を検討していきたいです。
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※投資は自己責任でお願いします。当ブログは利益を保証するものではございません。
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