JT/日本たばこ産業(2914)、日本唯一のタバコメーカー【銘柄分析】

日本株・J-REIT

公開日 2021-02-14
最終更新日 2022-03-16

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何してる企業?

JT(2914)はたばこの生産・販売を行う会社です。加えて、売上に占める割合は少ないものの、たばこ以外にも医療品や食料品などの生産・販売も手掛けています。

現在、同社の事業セグメントは「国内たばこ」「海外たばこ」「医薬」「加工食品」に分類され、たばこセグメントからの収益が同社全体収益の97.5%(国内30%、海外67.5%)を占めています。

そのため、同社の将来性・業績を考える上では①たばこの販売本数②為替がかなり重要な指標となり得ます。

むっひょ
むっひょ

意外かもしれませんが世界全体での喫煙人口は増え続けています。海外市場を取り込めるかどうかが今後の肝です。

また、同社(というよりたばこ産業)の特徴としては

  1. 参入障壁が高い(事実上同社の独占事業)
  2. 国内市場の先細り
  3. ESG投資の観点から機関投資家の投資対象外であるため、株価が基本低迷している

という点が挙げられます。

これが原因となり、同セクターにおいて「収益性が優れているものの株価は万年割安に放置される」という事象が発生しやすいことも抑えておくとよいでしょう。



分析スタート

基礎データ(2021/12/〇〇時点)

  • 時価総額 4兆880億円
  • PER 11.39倍
  • PBR 1.28倍
  • 自己資本比率 48.7%
  • 配当利回り(予) 7.42%

基礎データはざっくりこんな感じです。もう少し詳しく掘り下げていきます。

業績

一株あたり利益(EPS)

EPSは軟調な推移をしてきましたが、2021年には前年比プラスに転換し、2022年EPSも前年比プラスになると予想されています。

重要な海外たばこセグメント単体で見ると、営業収益が2020年340,867百万円→2021年454,342百万円と大幅に増加しました。2022年の予想は発表されていないためなんとも言えません。

むっひょ
むっひょ

巻き返しなるか?

営業・投資・フリーCF

営業CFは安定しており、年々増加し続けています。タバコ産業は新たな設備投資があまり必要ないため、新規事業への投資を控えれば営業CFの大半がそのままフリーCFとなります。

しかしながら今後は、日本国内におけるタバコ市場は衰退していくため、海外への展開に伴う投資・費用増や国内新規事業への投資増を考慮していく必要があるかもしれません。

むっひょ
むっひょ

営業CFが安定している企業は投資先として魅力的です。

営業利益率・CFマージン

利益率・営業CFマージン共に高水準を推移しています。ただ、利益率が年々下落しているのが懸念点ではあります。

むっひょ
むっひょ

頑張って回復させておくれ。



財務

自己資本比率・有利子負債比率

※2018年の会計方針の変更により、2018年以前の有利子負債比率数年分は算出不能になっています。

自己資本比率は50%前後を推移しています。もう少し高いと安心できます。有利子負債比率は40%以下を推移しているため、大分安心できます。

むっひょ
むっひょ

悪くない水準です。

現金及び現金同等物

現金を積み上げています。投資用に内部留保を蓄えているようです。

むっひょ
むっひょ

有効活用してね。



株主還元

還元姿勢

• 強固な財務基盤を維持しつつ、中長期の利益成長を実現することにより株主還元の向上を目指す
• 資本市場における競争力ある水準として、配当性向75%を目安とする
• 自己株式の取得は、当該年度における財務状況及び中期的な資金需要等を踏まえて実施の是非を検討

同社経営計画2022 より引用

配当の具体的な数値として75%を挙げています。非常に高い数値に見えますが、海外のタバコメーカーも配当性向が60〜90%のところが大半です。そこまで気にする必要はありません。

むっひょ
むっひょ

上述の通り、安定したCFが期待できる収益構造かつ成熟産業であるため、収益の多くを配当に回すという還元政策はオーソドックスなものです。

配当・配当性向

2019年までは連続増配、2020年も増配は途絶えたものの配当維持を貫きましたが、2021年には株主還元政策の変更に伴ってとうとう減配してしまいました。(ただ、2021年当初の配当予想では130円だったところを期中に10円増配した点は評価したいです)

2022年には10円の増配を予想しているものの、それと同時に株主優待を廃止するとのアナウンスを発表しています。

むっひょ
むっひょ

株主優待は自社製品の詰め合わせセット。一度くらいは貰ってみたかったのですが残念です。



まとめ

万年割安・右肩下りの株価である同社ですが、昨今のバリュー株への資金流入により株価は持ち直しつつあります。

単年度ではありますが、業績自体も回復傾向にあります。海外市場での巻き返しが今後の鍵となるわけですが、巻き返しのシナリオにベットすることが出来るのであれば、悪くない投資先かもしれません。

むっひょ
むっひょ

5月の段階で現在の株価水準であれば、新規購入していこうと考えています。



↑(投稿情報などをつぶやきます)

※投資は自己責任でお願いします。当ブログは利益を保証するものではございません。

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