何してる企業?
九州旅客鉄道(9142)は新幹線・在来線の運営や貨物輸送を行う鉄道事業を筆頭に、建設、不動産・ホテル、流通・外食などの多角的な事業を手掛ける企業です。
他の鉄道事業を営む企業と比較した際に、営業収益の半分程度を鉄道事業が、もう半分を残りの事業が占めている事業ポートフォリオが同社の特色として挙げられます。

「JR九州の親会社」といえば日本国民全員に伝わるでしょう。
分析スタート
基礎データ(2022/1/9時点)
- 時価総額 3680億
- PER 107.99倍
- PBR 0.98倍
- 自己資本比率 43.8%
- 配当利回り(予) 3.98%
- 優待利回り(予) 1.07+α%
- 総合利回り(予) 5.05+α%
基礎データはざっくりこんな感じです。もう少し詳しく掘り下げていきます。
業績
一株あたり利益(EPS)

2016年のマイ転は熊本地震による特別損失を計上したことによるものであり、2020年の大幅な減少、2021年のマイ転は言わずもがなコロナによる影響をうけたものです。
どちらも一過性の要因ですが、同社は固定費の大きな事業を多く手がけているため、キャッシュが入ってこない状況に陥ると業績に大ダメージを受けてしまいます。
基本的にはディフェンシブなセクターであるため不況には強いものの、災害・疫病などには滅法弱いことがわかります。

逆に言えば、新型コロナが終息すれば業績回復が見込めるということです。今は良い仕込みどきなのかも…?
営業・投資・フリーCF



事業の性質上、営業CFはよっぽどのことがない限りはプラスになります。(災害・疫病はよっぽどのこと)
それと同時に設備の維持(※)・成長投資を行っているため、投資CFは大幅なマイナスになります。
※同社は次期中計期間中に140億円程度の固定費削減の達成を目指しているようです。詳しくはこちらの25ページを参照。

安定した営業CFを見込めること・交通インフラであることを加味すると、同社が潰れるまでに至るとは考えづらいです。
営業利益率・CFマージン


コロナ禍を除けば、営業利益率・CFマージン共にそこそこ良い数値をしています。

特に営業利益率は改善傾向にあります。良きかな。
財務
自己資本比率・有利子負債比率


財務は悪化傾向です。自己資本比率は50%を切っており、有利子負債比率も昨年の2倍くらいに跳ね上がっています。

有利子負債比率はまだ100%以下ではあるものの、業績回復後にどう推移するかを意識していく必要がありそうです。
現金及び現金同等物

手元の現金は借入や社債発行によって増加したものです。財務は悪化していますが、資金調達は問題なく出来ているようです。

有効活用してね。
株主還元
還元姿勢
株主に対する利益の還元を経営上重要な施策の一つとして位置づけており、株主還元については 長期安定的に行っていくことが重要と認識(2022年3月期までの方針)
・1株当たり配当金93円を下限とし、連結配当性向35%を目安とした配当
・資本効率の向上を図るため、状況に応じた自己株式の取得
同社決算資料より引用
同社は中計期間において非減配を明言しています。2022年3月期以降どうなるかは不明です。

是非とも継続してもろて。
配当・配当性向


中計通り非減配です。上述の通り配当性向は35%程度が目安とのことなので、コロナ前の水準(2019年3月期)まで戻ることができれば問題なく継続可能です。

是非とも継続してもろて。(2回目)
株主優待

- 鉄道料金割引(一枚につき50%OFF)
- 系列店舗で利用できる金券
- 客船優待価格(往復1万円)
九州在住の方には嬉しい優待です。利用店舗も結構多いのでおすすめです。
優待を利用できる店舗はこちら

是非とも(略)
まとめ
九州旅客鉄道はコロナ禍により大きなダメージを負っているものの、基本的には不況時だろうと安定収益を見込めるディフェンシブな銘柄です。
財務は悪化傾向にありますが、新型コロナが終息すれば十分に持ち直せるレベルでしょう。
配当もよく、配当継続性も見込める銘柄であるため、投資先としては悪くない銘柄かもしれません。

自分は単元未満でコツコツ購入しています。
↑(投稿情報などをつぶやきます)
※投資は自己責任でお願いします。当ブログは利益を保証するものではございません。
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