トーセイ(8923)、コロナ禍で減配するも業績は復活基調にある景気敏感な不動産セクター【銘柄分析】

日本株・J-REIT

公開日 2021-11-04
最終更新日 2022-01-17

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何してる企業?

トーセイ(8923)は首都圏を中心に不動産関連事業を手掛ける会社です。

  1. 中古の不動産を取得し、設備改善やデザイン性向上、環境配慮型のリニューアルなどを施し再生不動産を販売する不動産流動化事業
  2. オフィスビルや分譲マンション、商業施設、戸建住宅、物流施設などの新築開発を行う不動産開発事業
  3. 利便性の高い東京都区部を中心にトーセイグループの保有するオフィスビルやマンションなどを賃貸し、収益を得る不動産賃貸事業
  4. 不動産ファンドの組成、アセットマネジメント業務に加え、コンサルティング事業や海外ネットワークを生かした売買・賃貸仲介を行う不動産ファンド・コンサルティング事業

の4分野をメインに事業を展開しています。

これらの内、不動産流動化事業が全体売上の50%以上を占めており、その利益率は28%という高い収益率を誇っています。

その一方で、現在は回復しつつあるものの、昨年のコロナ禍真っ只中では一時的に業績が大きく悪化しています。

分析スタート

基礎データ(2022/1/16時点)

  • 時価総額 503億円
  • PER 6.21倍
  • PBR 0.75倍
  • 自己資本比率 33.8%
  • 配当利回り(予) 4.55%
  • 優待利回り(予) 2.90〜5.80%
  • 総合利回り(予) 7.45〜10.35%

基礎データはざっくりこんな感じです。もう少し詳しく掘り下げていきます。

業績

一株あたり利益(EPS)

EPSはコロナ禍において一時的に大きく下落しましたが、それを除けば基本的に堅調に推移しています。

また、2020年のEPS減少は固定資産に対する評価損という形で利益を減損したものに由来しているため、キャッシュの流出が生じたわけではないことを押さえておきたいです。

むっひょ
むっひょ

計算したところ、固定資産の減損が生じなかった場合、2020年のEPSは208円程度になります。

営業・投資・フリーCF

CFが安定していませんが、これは高い商品(不動産)を仕入れる必要がある不動産業界全般に共通するものなので、あまり気にする必要はありません。

むっひょ
むっひょ

そういうわけで、不動産セクターにおいてはキャッシュフローの指標はあまり参考になりません。

営業利益率・CFマージン

営業利益率は2020年を除いて改善傾向にあります。CFマージンはCFと同様の理由で参考にならないため、そこまで気にする必要はありません。

むっひょ
むっひょ

不動産セクターに属する企業は、CFが安定しない代わりに利益率が高いところが多い印象です。



財務

自己資本比率・有利子負債比率

CFと同様の理由で(高い原価の不動産を多数仕入れるためにはどうしても借り入れが重要なので)、不動産セクターにおいては自己資本比率・有利子負債比率はあまり気にする必要はありません。

むっひょ
むっひょ

気にする必要無いところ多すぎ。

現金及び現金同等物

現金は少しずつ積み上がってきています。良いと思います。

むっひょ
むっひょ

ベネ。



株主還元

還元姿勢

当社の利益配分につきましては、安定的な配当の継続に努めていくとともに、収益性の高い事業機会の獲得による長期的な企業価値向上のために必要な内部留保と配当のバランスにつき、業績の推移、今後の経営環境、事業計画の展開を総合的に勘案して決定することを基本方針としております

同社IR より引用

つまるところ業績次第です。実際、前期において50%以上の大減配をしています。

一方、FY2023までの中計では配当性向を25%→30%まで引き上げると宣言しており、業績の回復・成長とも相まって短期的には期待できると思います。

むっひょ
むっひょ

そのまま減配せずに突き進んでおくれ。

配当・配当性向

上述の配当政策の通り、配当性向が25%になるように配当を支払っています。当たり前ですが無理のない推移をしています。

FY2020では業績の悪化に際して大減配をした後、FY2021では業績の回復に伴い大増配をしました。良くも悪くも景気敏感銘柄ですね。

FY2020は仮に配当維持をしても配当性向は50%程度であったことを考えると、我が儘を言うのであれば頑張って維持して欲しかったです。

そんな同社ですが、今回の決算において2022/11期の配当予想を47円と発表しました。20%以上の大増配です。

むっひょ
むっひょ

ようやった!好き!

株主優待

同社はQUOカードとホテル宿泊割引券の株主優待を実施しています。

今まではQUOカードのみの優待でしたが今年から優待制度を変更しており、継続保有年数の設定、ホテル宿泊割引券優待の新設をしています。

同社はコロナ禍においても積極的にホテルを開業しているため、客足を伸ばす意図があるのかもしれません。

https://www.toseicorp.co.jp/ir/investor/incentive/より抜粋

継続保有期間によってもらえる優待と優待価格が異なります。

  • 1年以内→宿泊割引券3,000円分
  • 1年以上2年未満→宿泊割引券3,000円分+QUOカード1,000円分
  • 2年以上5年未満→宿泊割引券3,000円分+QUOカード2,000円分
  • 5年以上→宿泊割引券3,000円分+QUOカード3,000円分

のようになっており、保有年数によってQUOカードの価値が上昇していきます。

継続保有によって価値が上昇していくので、長期スパンで保有しておきたいですね。

むっひょ
むっひょ

電車・飛行機や宿泊など、旅行の際に利用可能な優待が個人的に好きです。



まとめ

同社は景気敏感銘柄であり過去に減配もしていることから、長期保有を念頭に投資するには人を選ぶ銘柄だと言えます。

しかしながら、指標的には悪くない数値をしていること、優待も含めると高利回りであることを考えると、多少のリスクを許容出来る人ならば保有しても悪くない銘柄だと思います。

個人的には、最低単元数だけ保有しておけば(今後減配がされなかった場合は)最終的に配当と優待併せて利回り10%程度となるので保有しておきたい銘柄です。

むっひょ
むっひょ

不動産セクターは長期保有に向かないと考える投資家も多いですが、減配リスクを飲み込めるならば悪くない投資先だと個人的に思っています。



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↑(投稿情報などをつぶやきます)

※投資は自己責任でお願いします。当ブログは利益を保証するものではございません。

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