オリックス(8591)、リース業界首位のグローバルコングロマリット【銘柄分析】

日本株・J-REIT

公開日 2020-10-15
最終更新日 2022-06-12


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何してる企業?

オリックスと聞いた時、投資をしない人ならば、一番最初に浮かぶのは野球チームのオリックスバッファローズかもしれません。しかし、それは同社という氷山の一角でしかありません。

オリックス(8591)は、リース事業を筆頭に、保険、銀行、不動産、投資などの数多くの事業を手がけているコングロマリット(多業種間に跨る巨大企業)です。

同社決算説明資料より抜粋

日本国内のみならず、アメリカ、欧州、豪州、アジアなどで事業を展開しており、日本有数の企業規模を誇っています。

同上

リース業を原点とする同社の事業セクターは、金融関係が多いです。グローバルに活躍していることもあり、投資を行う際には同社が世界経済の影響を非常に受けやすいことを留意しておく必要があるでしょう。

むっひょ
むっひょ

実際リーマンショック時には、同社の株価は3000円強→170円と95%近く下落しました。どこぞの仮想通貨かな?



分析スタート

基礎データ(2022/6/12時点)

  • 時価総額 3.05兆円
  • PER 9.18倍
  • PBR 0.89倍
  • 自己資本比率 22.9%
  • 配当利回り(予) 3.53%
  • 優待利回り(予) 2.1〜4.2%
  • 総合利回り(予) 5.63〜7.73%

基礎データはざっくりこんな感じです。もう少し詳しく掘り下げていきます。

業績

EPS |(単位:円)

2021年度EPSが大きく減少しています。こちらは言わずもがな、新型コロナの影響によるものです。特に不動産セクターが大きな打撃を受けました。

次期の2022年度EPSはしっかり回復し、コロナ前の水準に戻しています。

ただ、2022年度EPSには弥生の売却益や子会社上場による資産価値の上昇なども含まれているため、一概に問題ないとは言い切れません。

実際2023年度の業績は、現状まだ非開示であるため、今後の決算動向を追って様子を見る必要があるでしょう。

むっひょ
むっひょ

今後に要注目、といったところですね。

営業・投資・フリーCF |(単位:百万円)

リース業はその他金融業に分類されているため、他の金融業同様、CFはあまり当てになりません。

一般的にリース業を手掛ける企業は営業CFがマイナスになることが多いですが、同社は営業CFがプラスになっています。

これは同社がコングロマリットであり、リース業以外にも事業展開をしていることが要因です。そのため、他のリース企業とCFを比較してもあまり意味がないです。

むっひょ
むっひょ

ですので、他のリース企業のCFを見て「うわ、営業CFマイナスじゃん、ダメ銘柄だな」とか思わないであげて下さい。

営業利益率・CFマージン

利益率は10%以上を推移しています。悪くない水準です。CFマージンは上述の通り、あまり当てにならないので気にしないで良いです。

むっひょ
むっひょ

オリックスの利益率は他のリース企業より高水準ですが、これはリース以外にも事業投資や銀行・保険業を手掛けていることが要因となっています。



財務

自己資本比率・有利子負債比率

その他金融業も金融業同様、自己資本比率はあまり気にしないで良いです。

むっひょ
むっひょ

有利子負債比率はデータが存在していなかったので、今回は省略しています。

現金及び現金同等物 |(単位:百万円)

現金等は横ばいに推移しています。リースは機械を仕入れるため必要があるため、現金等はあまり増えない傾向にあります。

むっひょ
むっひょ

可もなく不可もなくといったところでしょうか。



株主還元

還元姿勢

当社は、事業活動で得られた利益を主に内部留保として確保し、事業基盤の強化や成長のための投資に活用することにより株主価値の増大に努めてまいります。同時に、業績を反映した安定的かつ継続的な配当を実施いたします。

また、自己株式取得についても、必要な内部留保の水準を考慮しつつ、経営環境の変化、株価の動向および財務状況等を勘案のうえ、弾力的・機動的に対処してまいります。

同社配当方針より抜粋

これだけではなんとも言えませんが、同社はコロナショック時に配当性向を一時的に引き上げてでも配当を維持しています。

また、来期配当は最低でも配当維持することを明言していること、自社株買いも積極的に行なっていることから、株主還元には積極的だと言えます。

むっひょ
むっひょ

事実上の累進配当です。

配当・配当性向

しっかり増配傾向を維持しています。

むっひょ
むっひょ

更なる増配を期待したいです。

株主優待

同銘柄はカタログギフトの株主優待を実施していましたが、2024年の3月をもって株主優待を廃止することを発表しています。

大体Aコースは5,000円相当、Bコースは10,000円相当の品が掲載されているので、換算すると2.1〜4.2%程度の利回りになります。

同社HPより抜粋

2024年に廃止するのは、Bコースをもらえる人を少しでも多くするための措置なのでしょうか?だとしたら大分(個人)投資家想いの会社だと思います。

むっひょ
むっひょ

同社株式を保有する投資家数が明らかに増えていたので、何処かで廃止or改悪するとは思っていましたが、思いの外決断が早かったので少し驚いています。



まとめ

株主優待廃止を受けて個人投資家たちからは落胆の声が上がっている同銘柄ですが、業績そのものは現時点では特に問題ありません。

実質的な累進配当政策を行なっている株主還元に積極的な企業であることを考えると、今後も更なる増配が期待出来ると思われます。

唯一、来期の業績が不明瞭な点が気になりますが、魅力的な銘柄であることに変わりはないでしょう。

むっひょ
むっひょ

私は次回の決算まで様子見です。



↓金融セクターならメガバンクが個人的に好きです。

↑(投稿情報などをつぶやきます)

※投資は自己責任でお願いします。当ブログは利益を保証するものではございません。

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