公開日 2020-10-25
最終更新日 2021-04-05
ムッヒョです。
今回は、メガバンクの一角を占める「みずほFG」の銘柄分析をしていきます。
同社は高配当株として有名です。保有に適しているかどうか分析していきましょう。
今回の記事を読むことで、この銘柄が購入・長期保有に向いているかどうかがわかります。
ぜひご覧ください。
基礎データ
株価 | 1322円(10/25時点) |
一株配当 | 75円 |
配当利回り | 5.67% |
株主優待 | -- |
株主優待利回り | -- |
配当+優待利回り | -- |
配当支払月 | 6.12月 |
セクター | 銀行 |

みずほFG は「みずほ銀行」をはじめ「みずほ証券」「みずほ信託銀行」「みずほリース」などを傘下に持つ銀行持株会社です。銀行持株会社とは、傘下の子会社に銀行を持ち、傘下の子会社の大半が金融に関する事業を営む持株会社のことを指します。
みずほ銀行は日本のメガバンクの中で唯一の非財閥系の銀行です。メガバンクの中では他の2行に比べて売上高・純利益が少なく、後塵を拝している状況です。また、他校と比較してIT面が脆弱であることが知られており(銀行内でシステム系統が統一されていないなど)今後どうなっていくのか注目されています。
株価チャート


2013年からアベノミクス相場に後押しされ株価は大きく上昇しましたが、銀行の将来性が織り込まれており2800円付近を上値として株価が押さえ込まれている状態です。
チャートの形はあまり好ましい形ではなく、ここ数年の株価は下落トレンドを形成しています。
株価は10年前と比較して同程度の水準になっています。
業績推移

経常収益は右肩上がりに上昇し、経常利益・純利益は横ばいを推移しています。
2020.3期には、
- 経常収益 4兆円弱
- 経常利益 6000億円強
- 純利益 4000億円強
- 営業利益率 15%程度
を計上しています。
2019.3期に純利益が5000億円近く減少していますが、これはシステム投資額にかかる減価償却の大半を前倒しで処理していることが要因です。
本来減価償却費は長期間にわたって計上されます。今回前倒しで費用として計上されているので、今後の計上費用が減少すると考えれば、あまり気にする必要はないと思われます。
自己資本比率
※銀行業は他社・他人の金銭を利用して収益を稼ぎ出すという特殊な業態をしているので、自己資本比率はあまりあてになりません。読み飛ばしても問題ありません。

自己資本比率は企業の総資本に占める純資産の割合を示す指標です。
- 計算式…(純資産/総資本)×100
- 総資本…負債(借金)及び純資産の合計
- 純資産…返済の必要が無い資産
自己資本比率が高いほど中長期的に見たときの倒産の可能性が低くなるので、基本的に自己資本比率は高い方が好ましく、40%以上あることが好ましいとされています。
自己資本比率は2~5%を横ばいに推移しています。
キャッシュフロー推移
※銀行業は他社・他人の金銭を利用して収益を稼ぎ出すという特殊な業態をしているので、CFはあまりあてになりません。読み飛ばしても問題ありません。

CF(キャッシュフロー)は企業経営における現金の流れを示す指標です。
- 営業CF…企業の営業活動に関係した収益・費用の流れ
- 投資CF…現事業を維持するために必要な資金・事業拡大のために投資される資金の流れ
- フリーCF…営業CFから投資CFを差し引いたもの
フリーCFから配当金の支払い・借入金などの返済などを行うので、基本的にはフリーCFがプラスになっていることが好ましいです。
過去10年間のフリーCFはあまり安定していません。
2020.3期にはフリーCFがマイナスを計上しています。
配当金性向(PLベース)

配当性向(PLベース)は一株あたり純利益に占める一株あたり配当金の割合を示す指標です。
- 計算式…(DPS/EPS)×100
- EPS…一株あたり純利益
- DPS…一株あたり配当金
配当性向を見ることで今後の配当持続安全性を知ることができます。配当性向が低ければ低いほど今後の配当持続安全性は高くなるので、基本的に配当性向は低い方が好ましく、60%以下が好ましいとされています。
配当性向(PLベース)は2020.3期で42%程度です。
配当性向は基本的に30%付近で推移しており、問題ない水準です。
2019.3期に配当性向が大きく上振れしていますが、詳しくは上記の業績推移をご覧ください。
配当金性向(CFベース)
※銀行業は主たる業務である企業への融資が営業CF上ではマイナスの数字になるので、CFベースの配当性向はあてになりません。読み飛ばしても問題ありません。

配当性向(CFベース)はフリーCFに占める配当金支払額の割合を示す指標です。
- 計算額…(配当金支払額/フリーCF)×100
- フリーCF…上記「キャッシュフロー推移」参照
- 配当金支払額…配当金として支払った金銭の総額
一般的にはPLベースの配当性向が利用されますが、配当金はフリーCFから支払われるものです。ゆえに、CFベースでの配当性向のほうが安全性をはかる際にはふさわしいと個人的には考えています。
配当性向(CFベース)は2020.3期にはマイナスを計上しています。
CFベースの配当性向は不安定に推移しており、フリーCFが安定していないことが伺えます。
利益剰余金

- 利益剰余金…俗に言う内部留保。現金だけではなく、設備・固定資産なども含まれている。
- 現金等…企業が有事の際にすぐ現金化できる、投資有価証券などを含むキャッシュ残高のこと。
両者は区別して考える必要があります。
一般的には現金等に注目した方が詳しい配当持続安全性を知ることが出来ますが、一部の業界に限っては利益剰余金を指標とします。
銀行はその業態から、現金等よりも利益剰余金の方が正確な配当持続安全性を知ることが出来ます。
利益剰余金はここ10年できれいに右肩上がりになっており、現在4.2兆円弱を保有しています。
万が一収益が低迷したとしても、当面は配当金を維持することができるでしょう。
配当金・増配率推移


近年は増配がなされておらず、配当は一定で推移しています。
2020年は一株あたり75円です。
増配時の増配率は悪くないものの、減配しているのがマイナスポイントです。
株主優待制度
同社は株主優待制度を実施していません。残念。
配当方針
<みずほ>は、「安定的な自己資本の充実」と「着実な株主還元」の最適なバランスを図る「規律ある資本政策」を遂行しています。
https://www.mizuho-fg.co.jp/investors/stock/dividend.html より引用
株主還元方針につきましては、2019年度から、「当面は現状の配当水準を維持しつつ、資本基盤の一層の強化を進め早期の株主還元拡充を目指す」こととしております。
各期の株主還元については、当社グループの業績、収益基盤、自己資本の状況およびバーゼル規制を始めとした国内外の規制動向等、事業環境を総合的に勘案し、決定していきます。
あまり増配は期待できないかもしれません。
実際、2015年からは増配がストップしています。
個人的意見
配当金目的の長期保有ならば、悪くはないもののあまりお勧め出来ない銘柄です。
配当性向はそこまで高くなく、利益剰余金もあるものの、業績が下落傾向であること、配当方針があまり期待できないものである点が懸念点です。
配当利回りは5%以上あり、これは単純計算で考えて10年間保有すれば投資金額の50%を回収出来ます。
業績や配当方針を考慮すると、他のメガバンク2行の銘柄を保有すれば良いかな…と正直思ってしまいます。
これからの時代は資産運用も重要になっていくでしょう。このブログが皆様の株式投資の手助けになれば幸いです。
共にこの資本主義社会を生き抜いていきましょう!
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↑(投稿情報などをつぶやきます)
※投資は自己責任でお願いします。当ブログは利益を保証するものではございません。
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