公開日 2022-02-01
最終更新日 2022-03-03
何してる企業?
JACリクルートメント(2124)は国内外にて人材紹介事業を手掛ける企業です。
日本を含めたアジア圏9ヶ国とヨーロッパ2ヶ国の計11ヶ国で事業展開をしており、そのネットワークを活かすことで、グローバル人材や外資系企業などに対する専門職や管理職、ハイクラス層の転職に強みがあります。
現在、転職業界第3位の規模を有する同社ですが、今年2022年よりTVCMに広告を打つ計画があり、更なる知名度向上が見込まれています。

今後は日本国内でも転職市場の活発化・外国人の流入が予想されているので、同社も将来を期待できそうですね。
分析スタート
基礎データ(2022/2/20 時点)
- 時価総額 736億円
- 株価 1,779円
- PER 17.09倍
- PBR 5.37倍
- 自己資本比率 76.4%
- 配当利回り(予) 4.22%
基礎データはざっくりこんな感じです。もう少し詳しく掘り下げていきます。
業績
一株あたり利益(EPS)

2020年のコロナショックの際は、転職者数・求人数が減少したことによりEPSは半減してしまいました。
しかしながら、2022年予想はコロナ前の水準に迫る勢いです。
加えて、長期スパンで見ればEPSは概ね右肩上がりであり、10年間で実に9〜10倍に成長しています。

不景気になると利益が減少する、いわゆる景気敏感銘柄です。
営業・投資・フリーCF

営業CFは年々増加しており、今後も期待できそうです。
投資CFは年度による増減が大きいため判断が難しいものの、営業CF以上の金額を使っていることはない(フリーCFが常にプラスである)ため、そこまで懸念はしていません。
事業の性質上、裾野を広げるための知名度向上が必須であるため、投資CFが嵩むのは仕方がないという見方もできます。

ブランド認知が重要なのです。
営業利益率・CFマージン

やや伸び悩んでいますが、利益率・CFマージンは高水準で推移しています。
コンサルや仲介は利益率が高くなる傾向にありますが、同社もその例に漏れません。

儲かってまんなぁ。
財務
自己資本比率・有利子負債比率

同社には有利子負債が存在しないため、有利子負債比率は0%となります。
自己資本比率も70%を超えて推移しており、景気敏感銘柄であるものの、財務は非常に安定しています。

なお、有利子負債以外の同社の負債は、会計の期ズレによる未払金や退職金の積み立てによるものでした。
現金及び現金同等物

順調に積み上がっています。溜め込んでいる手元資金については
今後の事業投資・配当及び不況期に備え コンサルタントの雇用維持に充てることを 経営方針としております。
同社決算説明会資料 より引用
とのことです。うまい具合に振り分けてほしいですね。

2021年は減配しちゃったのよねぇ…。
株主還元
還元姿勢
当社は、株主の皆様と長期的な信頼関係を構築するため、利益還元を重要な経営課題に位置付けております。配当方針につきましては、将来の事業展開と経営基盤強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を実施していくことを基本としております。
同社IR より抜粋
よくあるやつです。好況時には大きく株主還元を行い、不況時には減配も辞さないという還元スタイルです。
とはいえ、同社は2020年に配当性向100%超えをしてでも配当金を維持していることから、株主還元に対して熱心な姿勢を有していることが伺えます。

人材仲介事業は景気敏感であるため、仕方がないとも言えます。
配当・配当性向

2020年は配当性向が100%超えをしても頑張って配当維持をしたものの、2021年は前年の80円→73円と減配しました。
ただ、2021年当初は80→70円の予定だったものを期中に73円に上方修正しています。同社の株主還元姿勢を感じさせますね。
2022年は73→75円と2円増配予想です。

今年も上方修正してくれると嬉しいですねー。
まとめ
同社は高収益かつ好財務の銘柄であり、同業他社とも求人企業・転職者層の差別化が出来ていることから、今後も存続・成長していくことが予想されます。投資対象としては魅力的だと言えるでしょう。
強いて言うのであれば、景気敏感銘柄であり、減配実績があることが長期保有をする上でやや懸念点と言えるかもしれません。

前回の決算を受け、同社の株価は急落し配当利回りが4%を超えました。現在の水準が続くようならば、少しずつ買い増していこうと思います。
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