保有銘柄の増配による配当利回りへの影響をシミュレーション

外国株

長期保有銘柄の増配による配当金・利回りへの影響は馬鹿に出来ません。増配率の高い銘柄によっては、数年保有しているだけで配当利回りが2倍になったりすることも珍しくないです。

今回は、この投稿の執筆時点で自分が保有している米国株等の増配力を試算し、長期投資の素晴らしさを再認識しよう、という趣旨の記事です。



増配シミュレーション

配当金を目的として保有している海外株式は以下の通りです。

企業名ティッカー配当利回り
アッヴィABBV4.76%
エイリス・キャピタルARCC7.79%
BPBP4.19%
ブリティッシュ・アメリカン・タバコBTI8.21%
CMEグループCME1.70%
ロッキード・マーチンLMT3.06%
アルトリア・グループMO7.39%
ロイヤリティ・ファーマRPRX1.77%
ベライゾン・コミュニケーションズVZ4.90%

高配当株・増配株が混在しています。今回はこの銘柄群に関して以下の3パターンで増配の試算を行います。

  • 楽観的な予測(過去3年の増配率をそのまま適用した予測)
  • 保守的な予測(過去3年の増配率に基づきながらも、高すぎる増配率は控えめに適用した予測)
  • 悲観的な予測(過去3年の増配率よりも低い増配率を適用した予測)

なお、RPRXだけは2020年にIPOしたばかりの銘柄であり3年分のデータが無いので、過去1年の増配率を適用します。

また、BTIはドルベースではなくポンドベースでの増配を意識しているので、ポンド建の配当金推移を参照します。

平均利回りの算出については、簡略化するために全てに同額ずつ投資していると仮定します。

楽観的な予測

過去3年間(FY2017〜FY2020)の増配実績に基づき、これからも同様の成長が期待できるとしたときの予測です。

BPのみ2020年に減配を行なった影響で過去3年平均増配率がマイナスになっています。同社は今年4%の増配を行なっているので、楽観的な予測ではそちらの数値を用いて計算します。

ティッカー平均増配率適用増配率利回り(現在)利回り(5年後)利回り(10年後)
ABBV22.62%22.62%4.76%13.19%36.58%
ARCC1.72%1.72%7.79%8.48%9.24%
BP-7.72%4%4.19%5.10%6.20%
BTI6.10%6.10%8.21%11.04%14.84%
CME9.35%9.35%1.70%2.66%4.16%
LMT9.67%9.67%3.06%4.85%7.70%
MO10.21%10.21%7.39%12.02%19.54%
RPRX13.3%13.3%1.77%3.30%6.17%
VZ2.11%2.11%4.90%5.44%6.04%
平均4.86%7.34%12.27%

楽観的な予測では、10年間長期保有することで配当利回りおよそ2.5倍に増加します。

これは配当金の観点から見ると、投資額を2.5倍に増資したことと同様の効果を得られるということです。

保守的な予測

過去3年間の増配実績に基づきながらも、高すぎる増配率は今後下落すると考えたときの予測です。

高い増配率を誇る銘柄・3年以内に減配を行った銘柄は今後増配率が下がると仮定し、過去平均増配率の5〜8割程度の増配率を用いて計算します。

ティッカー平均増配率適用増配率利回り(現在)利回り(5年後)利回り(10年後)
ABBV22.62%12%4.76%8.39%14.78%
ARCC1.72%1.72%7.79%8.48%9.24%
BP-7.72%2%4.19%4.63%5.11%
BTI6.10%6.10%8.21%11.04%14.84%
CME9.35%7%1.70%2.38%3.34%
LMT9.67%7%3.06%4.29%6.02%
MO10.21%7%7.39%10.36%14.54%
RPRX13.3%10%1.77%2.85%4.59%
VZ2.11%2.11%4.90%5.44%6.04%
平均4.86%6.43%8.72%

保守的な予測では、10年間長期保有することで配当利回りおよそ1.8倍に増加します。

配当金の観点から見れば、投資額を1.8倍に増資したことと同義です。

悲観的な予測

過去ほどの増配は見込めず、配当の成長は必ず鈍化するとしたときの予測です。

全ての銘柄は増配率が低下すると仮定し、過去平均増配率の5割程度の増配率を用いて計算します。

ティッカー平均増配率適用増配率利回り(現在)利回り(5年後)利回り(10年後)
ABBV22.62%5%4.76%6.08%7.75%
ARCC1.72%0%7.79%7.79%7.79%
BP-7.72%0%4.19%4.19%4.19%
BTI6.10%3%8.21%9.52%11.03%
CME9.35%5%1.70%2.17%2.77%
LMT9.67%5%3.06%3.91%4.98%
MO10.21%5%7.39%9.43%12.04%
RPRX13.3%5%1.77%2.26%2.88%
VZ2.11%1%4.90%5.15%5.41%
平均4.86%5.61%6.54%

保守的な予測では、10年間長期保有することで配当利回りがおよそ1.3倍に増加します。

配当金の観点から見れば、投資額を1.3倍に増資したことと同義です。

結論:やはり増配の力は侮れない

増配が利回りに及ぼす影響について計算しましたが、最も増加率の高い楽観的な予測でのシミュレーションにおいては2.5倍という上昇率が、最も増加率の低い悲観的な予測でのシミュレーションにおいても1.3倍という上昇率が算出されました。

またその影響力は、当然ですが期間が長くなればなるほど大きくなっていきました。

今回の計算からは、現時点での高配当株よりも増配率の高い増配株の方が(増配がこのまま継続されれば)より高い利回りとなり、良いパフォーマンスを出せるパターンもあることを再確認することが出来ます。

高配当株を重視するか、増配株を重視するか、今後の投資戦略の参考になりそうです。

  • 現在の業績に焦点を当てるのか、これからの成長性に焦点を当てるのか、
  • 現時点でのCFを重視するのか、将来のCFを重視するのか
  • 過去の推移が将来も継続すると予測するのか、過去と将来は異なる推移をすると予測するのか

など、どこに着目するかで取り得る投資戦略が変わりそうですね。

資本主義が継続する前提の下で過度に楽観的・悲観的になりすぎないよう、投資先の分散を怠らないよう、バランスをとりながら投資を継続していきたいです。



↓BPは過去に減配をしているので、その辺も注視する必要がありそうです。

↓ベライゾンは決算自体は悪く無いのですが、最近株価の下落が目立っており、配当利回りが上昇しています。

↓LMT・CMEなどは増配率が高く、寡占市場の住人なので安定感がありオススメです。

↑(投稿情報などをつぶやきます)

※投資は自己責任でお願いします。当ブログは利益を保証するものではございません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました