公開日 2021-08-02
最終更新日 2021-10-17
先日、英国に本社を置く石油メジャーのBP(NYSE:BP)の決算において、4%の増配がアナウンスされました。
自分は同社銘柄を10万円分程度保有しているのですが、もう少し買い増していきたいと思っています。
同銘柄に投資する上で押さえておきたいトピック
同銘柄のような石油含む資源メジャーは情勢・資源価格などの外的要因によって業績が大きく左右されます。このことを留意した上で、自身のポートフォリオに占める割合を決定していく必要があるでしょう。
以下は、エクソンモービルやロイヤルダッチシェルなど、同社と他の石油メジャーとの大まかな差異です。
石油関連事業からの投資撤退
ESG投資が隆盛している現代の証券市場において、石油関連銘柄は軒並み機関投資家の投資対象から除外されています。この影響により同銘柄群の株価は一律に伸び悩んでおり、同社も例外ではありません。
そんな中で同社は石油関連事業からの撤退を始めつつあります。2019年には同社のシンボリックな石油関連事業であったアラスカ事業を売却し、液化天然ガスや再生可能エネルギーに対する投資を増やしています。
2020年には他の石油メジャーに先駆けて「2050年までに自社から排出される温室効果ガスをゼロにする」という目標を掲げるなど、環境対策に積極的な姿勢を見せています。
英国ADRで二重課税なし
エクソンやシェブロンなどの米国に本社を置く銘柄は10%の現地課税を課されるため、日本で配当金に課される20%の税金も考慮すると、手元に入ってくる配当金額は税引き前のおよそ72%となります。
一方で、同銘柄などの英国ADRは現地課税が課されないため、手元に入ってくる配当金額は税引き前のおよそ80%となり、米国株と比較して手取りは8%程増加します。これは米国に本社を置く他社と比較したときに大きなメリットとなり得ます。
多額の賠償金と減配の過去
同社は2010年にメキシコ湾にて、同社の石油掘削施設である「ディープウォーター・ホライズン」の配管が爆発によって大量の原油を流出させる事故(メキシコ湾原油流出事故)を起こしています。これにより同社は208億ドル(およそ2兆5000億円)の和解金を支払わねばならなくなり、これが2033年まで財務諸表を圧迫し続けることとなっています。
また、同社は過去11年間で2回の減配を行っています。1度目は上述の原油流出事故に際した賠償金支払いが要因となり75%の、2度目は2020年のコロナショックによる需要の大幅低下、それに伴う資源価格の低迷が要因となり50%の減配に至っています。

※2021年にも減配しているように見えますが、同社は第2四半期に増配・減配を行っており、第2四半期を基準に計測すれば増配しています。
今後の市場状況によっては、3度目の減配を行うことも十分に考えられるでしょう。
まとめ
同社は他のオイルメジャーと比べて環境対策に積極的なスタンスを取っています。
このような姿勢を見ると、石油資源を使用しなくなった未来の世界においても、同社はある程度支配的な地位を獲得しているのではないか、(ひいては配当を払い続けてくれるのではないか)と思わせてくれます。
しかしながら、いかんせん同銘柄は原油価格や天然ガス価格の市況に大きく左右される業態です。保有割合に気をつけつつ、自分のポートフォリオ全体の利回りを高める目的でトッピングする程度に留めておいた方が良いのかもしれません。
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